☆日本語サークル 実際にYICで日本語サークル活動をしている秋月さんたちにインタビューをしました。 【生 徒】内海 ヨシヒロさん(ブラジル・写真左) 中里 ルイスさん(ブラジル・写真中) 【先 生】秋月 享さん(日本・写真右) 「ここで勉強するようになって、職場の人とたくさん話すようになった。仕事が楽しくなった」と話すルイスさん。ヨシヒロさんは「最近、日本のマンガを買った。漢字は読めないが、ふり仮名と絵を見て、だいたいわかる。また別のマンガを買うのが楽しみ。ここで秋月先生と勉強できて本当に良かった」と笑顔を見せてくれました。生徒の性格や学習に対する姿勢、得手不得手等から、オリジナルの教材を作り、授業に取り組む秋月さんは、「教材作りに苦労することもあるが、生徒たちの成長ぶりを見るのが嬉しい。これからも生徒のやる気を引き出せるよう努めたい」と意欲満々です。 |
日本語サークルで活動しているボランティアさんに、日本語を教える上での工夫やコツを教えてもらうコーナーです。
No.001 「基本は“音読”」 日本語を教えるようになって7年以上経過し、多くの外国人に接してきました。皆さん仕事をしながらの学習であり、その勤勉さには頭が下がります。彼らの多くは職場でも私生活でも、日本語を話す機会は少ない様なので、私のレッスンは、30~40分間、日本語のフリートーキングから始めます。コミュニケーションを図ると共に、日本語を多く話してもらう為でもあります。その後の授業は、学習者がどんな学習をしたいかによると思います。読み書きを学びたい人、会話を楽しみたい人、試験に合格したい人等様々です。目的に応じて教科書を選定し、それをベースに進めます。数年前、2級の試験に合格したいという女性とペアを組み、専ら問題集に取組みました。長文の理解と読み方に若干問題があったので、読解力をつけてもらう為、音読と共に辞書引きを徹底しました。漢字は書き順だけ教え、覚える事と意味は宿題にしました。わからない表現は、易しい例題を出して理解してもらいました。大変真面目な人で、帰宅後テープを聞いたり、わからない言葉は翌週の授業で質問を受けました。試験の2か月前から問題集に取り組み、彼女はみごと合格しました。目的に応じて授業の内容は異なります。しかし基本は音読だと思い、これを中心にして授業を進めています。 |
No.002 「継続は力なり」 YICNEWS2月号の「基本は音読」の記事、私も全く同感です。音読により、発音、イントネーション、読解力の程度が良くわかります。また、声を出して読むのは、自分の声が耳からも入る事で、聴解力にも効果が有ると思われます。日本語のみならず全ての語学に関して、近道や短期習得法は無いと思います。勿論、短期間で上達するには「日々コツコツ」が最善の方法だと信じています。どれ程興味を持ち、毎日どれだけ学習時間を掛けて取組むかに依ると思います。まずは、日本語に興味を持って接して頂ける事。次に、何事も“継続は力なり!”休まず続けて学ぶ事が大切だと思います。出来る限り興味有る楽しいレッスンを継続できればと常に心掛けていますが、漢字や語彙、熟語などを覚えたり理解するのはとても大変です。そんな時は、学習者の興味有る糸口を見つけ、楽しい話題に結び付けて話の輪を広げ、沢山の日本語を話してもらうようにしています。ある程度の成果が出るようになるまでは、楽しく続ける事が大切ではないかと思います。途中で諦めず楽しく継続出来れば、誰もが必ず上達すると信じています。皆さん一緒に楽しく継続をモットーに、日本語レッスンに励みましょう! |
No.003 「日本語学習への道案内」 YIC日本語サークルは基本的に個人レッスンなので、理想的なシステムといえるでしょう。私が実践している方法を紹介します。 1.キックオフインタビュー 学習者について情報を仕入れて、これからの教育カリキュラム作成の資料とします。 ①名前、国名、母国語、連絡電話番号 ②何故日本語を勉強したいのか。 ③今まで日本語を勉強したことがあるか。 ④家・職場で日本語を使うか。 ⑤日本滞在予定期間 2.簡単な能力テスト 初級者にはひらがなのカードを示す。 3.教育カリキュラムを用意 学習者に適した本や教材(絵カード、50音カード、子供新聞 etc.) 4.教育方法 アメリカで開発されて、短期間でスキルアップさせるトレーニングメソッドのTWIを参考にしています。 イ)知っている程度を確かめ ロ)説明し ハ)習いたい気持ちにさせ ニ)やらせてみて ホ)上手くできたら褒めてやり へ)間違った時には直ぐ直してやる ト)目標を与えて、より上を目指す。 5.まとめ 学習者は経歴・能力・生活環境など千差万別です。その人に応じたやり方で、あせらず気長に一緒に学習していかなければなりません。 |
No.004 「公園に行きます」 日本語サークルでの活動で、学習者に言葉や表現の意味を説明する際、意味の近い他の言葉で言い換えたり、例文を使ったりは、多くの人が行っていることでしょう。図を描いてみるのも、理解の大きな助けになります。(図は場所の格助詞について) この他にも、ボランティアがすべてを説明してしまうのではなく、学習者がすでに知っている日本語の知識(漢字の意味など)を使いつつ理解させることも、重要なポイントとなります。(2012/10/14に開催された日本語ボランティア・スキルアップ研修より) |
No.005 「自分も楽しみながら」 日本語ボランティアを始めて5年8ヶ月、当初は戸惑いましたが、養成講座を受けて基礎を学び、今は楽しみながらやっています。生徒は専ら中国人です。教え方は生徒の目的と希望に合わせることが第一ですが、私の場合、教材は「みんなの日本語」を使っています。この教材は、外国人を対象に、動詞の種類、「ます形」、「て形」、「ない形」、「た形」等の動詞の活用、形容詞の種類、等々、系統立てて纏めてあるので使い易いです。「おかしくない日本語が話せる」ことを主眼に教本に沿って進め、CDを使って正しい標準語を聞かせています、その中で、生徒を混乱させない範囲で、より簡単な言い回しとか、四日市弁を紹介しています。一方、飽きさせない工夫も必要なので、日常生活を話題にした雑談とか、興味のありそうな副本を選んで変化をつけています、副本は主に「日本文化」の紹介で、日本の料理、日本の祭り、露天風呂、日中での習慣の違い・漢字の意味の違い、日本昔話、童話、等々。「みんなの教材サイト」とか、「JX童話」のサイトをよく使います。日本の歌なら「世界に一つだけの花」が意外に好評でした。ともかく、「日本を好きになって帰ってもらう」ことを心がけています。最後に、相手の母国語を理解する意味から、YIC主催の語学講座の受講を勧めます。私は中国語講座を受け、そのあと何人かの仲間と同好会を作って今も継続しています、帰国した生徒とのその後の交流、ボランティア仲間との交流など、YICでの活動から発展する横の広がりも楽しみの一つです。 |
No.006 「日本語ボランティア3分チェック」 ~該当する項目に、✓をしてください~ □学習中、学習者の話を遮ったことがある。 □学習者の勉強目的が言えない。 □学習者にドタキャンされた。 □「日本が一番優秀」と思っている。 □日本語を教えることと、自分が外国語を話すことを、混ぜてしまっている。 □学習者を子供扱いしたり、気に入った学習者を特別扱いしている。 □日本語教育と国語教育の違いが分からない。 □「教えてやっている」「助けてやっている」という意識がある。 ※以上、いかがでしたか? 上記テストは、2010年3月に発行された「月刊日本語」に掲載された『信頼されるボランティアになるための』記事を参考にしたものです。 1つでも思い当たる項目がある場合は、今一度、学習者との関わり方を見直してみてはいかがでしょうか? 日本語ボランティアについて悩みや困っている事がある時には、YICへご相談下さい。 |